東京国際フォーラム

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最終更新日:1999年09月30日
作 成 日:1999年09月30日


DATA

設計者:ラファエル ヴィニオリ建築士事務所
所在地:
東京都千代田区丸の内3-5-1
竣工:
1996年5月
用途:コンベンションホール/劇場/多目的ホール
公式Webサイト:
http://www.tif.or.jp/
最寄り駅:東京/有楽町
周辺地図


作成者:H.Tanaka

磯崎新が「東京五大粗大ゴミ」の一つにこの東京国際フォーラムをあげたが、誤解の無いように説明すると、この東京丸の内には旧東京都庁舎(丹下健三)があり。
この旧都庁舎を新しくするにあたり、西か東かと意見が分かれたがその結果丹下健三は西の新宿に
新東京都庁を建てることにした。
さて、候補に外れた東には
東京現代美術館(柳沢孝彦)が設計され、結果、旧都庁舎の跡地に何を建てるかということになったが、そこでコンベンションホール(会議室)、コンサートホール、多目的ホールなど多目的に利用できる東京国際フォーラムを建設することになった。
それではなぜ「東京五大粗大ゴミ」なのか?
一つにバブル期の後遺症。一つに丸の内にコンベンションホール。一つに東の東京現代美術館。この東京現代美術館は江東区にあるが交通の便の問題から、なかなか客が来ないとのこと。
磯崎は、「なぜ丸の内にコンベンションホールなのか?」と言っている。機能(建物の用途)とその建物の配置に問題があった行政に対して粗大ゴミと批判しているのである。
別にヴィニオリが粗大ゴミを作ったのではなく、ヴィニオリに無理矢理粗大ゴミを作らせた行政に問題があるようで、それとは別に私は、この東京国際フォーラムを非常にいい建築と考えている。

 一般的な意見としてもこの建築はいいものと受け入れられているのではないだろうか。
 この建物は山手線から見えるのだが、その線路側のファサードは非常に無機的なものである。現に山手線に乗りながらこの建物を見るとなにやら灰色の壁が「ドーン」と建っている。非常に圧迫感のあるものであったが、有楽町の駅を降り実際に訪れると、なるほど意味が分かるわけである。

 右の写真は「プラザ」と言われている右のホール棟と左のガラス棟に挟まれた公共の公園とでも言いましょうか、人の通り道ともなり両棟の通り道ともなりえる中間領域となっている。このプラザを成立させるためにガラス棟の部分を一面ガラスで多い、視線をガラス棟の奥までのばしている。そのために山手線側を「壁」としている、と考えればなるほど気持ちのいい空間。

 左はガラス棟の天井。ガラスの大空間は他では体験できないダイナミックな空間。
 この鯨の骨のような梁を支持しているのがたった二本の柱で、それがまた驚きの構造。
 夜になるとライトアップによるガラス棟がプラザを照らす。

 右の写真がガラス棟の最上階の通路ですが、ここをどうして載せているかというとよーく見ていただきたいのですが、ちょうど写真の中央にすこし黒ずんだ壁があります。これ実は扉なのです。
隠れ扉のようで思わずシャッターを切ってしまいました。
 現に避難口の緑の案内がうっすらと見えています。
 こうした隠れ扉を設けた意図はよくわからないが従業員ようの入り口のよう。

 ホール棟とガラス棟との通路はプラザを直接通る他、地下一階からのこの左のブリッジを通るなどあるが、このブリッジが一番気持ちがいい。
 奥が方位的に西側になり、地下一階にも関わらず西日が印象的。
 これに誘われてこのブリッジを通ってみると、左右ガラス越しに地下二階の多目的ホールが見える。

 大、中、小の3つのホールがありその隙間に右のような西側に出る「隙間」がありそこからの西日がショップの柱の陰が印象的。
 「見る時間帯によってさまざまな表情を見せる建築物」これは建築の一つの醍醐味です。

 

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文責・写真:H.Tanaka


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