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オランダ建築家協会 The Netherlands Architecture Instituteロッテルダムの中心地あるミュージアム公園の北端にこの建築はあります。この建築はオランダ建築家協会が1993年にオランダの著名な建築家5名(ヨー・クーネン、レム・コールハース、ヴィム G.クイスト、ヒュバート・ヤン・ヘンケト、ベンテム&クラウエル)とスイスの建築家1名(ルイジ・スノッツィ)による指名コンペを行い、結果選ばれたヨー・クーネンにより設計されたものです。文化創造として公共投資な盛んなロッテルダムは、オランダにおける文化的中心を目指しているといいます。現代的建築の多いオランダにおいて、ここロッテルダムは現代建築の宝庫といっても過言ではないほどで、それは実際に行けばきっと感じることではないでしょうか。日本では経済優先により町並み景観破壊が著しいく行われたとよく耳にしますが、オランダはそんなものを通り越してしまってます。九州ほどの小さな国土ですから、発展していくには歴史的建造物を町ごと保存などはとてもできませんし、日本同様、公共投資で経済を引っ張っている国でもあるのです。しかし、オランダは日本と大きく違うところがあります。町の総べての建築はそのファサードに単調さが感じられないことです。つまりすこしづつでも総べて違うということで、似てはいても違いがわかるんですね。そうした町を歩いていると変化があり楽しくなります。ほんとそうした点からして日本は単調な町並みです。オランダは現代的景観都市をつくり出していると言っても過言ではなく、日本は現代的量産都市とでもいう街でしかありません。同じように建設による公共投資に頼っている国としてこうも違うのも面白いことではあります。このオランダ建築家協会に話しを戻しますと、この建物は4つの大きな形態と用途から成り立っています。左上の画像は展示されていた建築の模型ですが、中央にはガラスボックスの管理棟とその東には正方形プランの展示ホール、オフィス棟の下には斜に連結するオーディトリアム、北側にはゆるやかなカーブを描く道路に沿った1Fにピロティを持つ細長い資料館 、となっているものです。赤くなっている部分にはレンガが使用されています。中でも オフィス棟の巨大パーゴラ?は、ミュージアム公園から見ると変わっていてわかりやすい造形です。こういう無駄な構造体は嫌いではありませんが、その意図するところはなんなのかよくわかりません。オフィス棟と展示ホールを連結するスロープ部で、クンストハル同様、単純なプランに変化をつくり出しています。 オーディトリアムは座席の視線は池の水面に向かうよう正面はガラス張りになっていました。ロケーションはいいでしょうが、音響はこれで問題ないのかと疑問です。正方形プランの展示ホールの内部はコンクリート打放しです。開口は床面に合わせて取られています。どことなく安藤さん的?なところが感じられました。特に階段の空間と採光なんかに! 池の反射光によってとても明るい展示空間となっていましたが、一部アルミ材で組み上げられた展示フロアがありました。これは企画展示であると思われますが、コンクリートの壁と木の床、アルミのフレームと、素材の使い方は面白いものでした。 オランダ建築家協会 The Netherlands Architecture Institute ヨー・クーネン Jo Coenen 建設 1993年 用途 複合施設(展示・博物館、資料室、オーディトリアム、オフィス) 所在地 オランダ ロッテルダム Netherlands, Rotterdam Back0 |