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DG銀行200mの高さを持つ超高層のDG銀行は、ユーロッパの数ある超高層の中でもこのキャンティレバー頂部で一風変わった存在です。KPFは今までに数多く超高層ビルを手がけているのですが、このDG銀行においては巨大なスティール製のクラウン(王冠)を頂部に設けたのです。これは歴代のドイツ皇帝の戴冠式がここフランクフルトで挙行されてきたこと、それを表現したものだといいます。超高層ビルは遠景でないかぎり、ほとんど見上げないと頂部は見えません。しかし、このキャンティレバーはそうして見上げた時にアイストップとして見えることになるのです。ただ単純に筒状に伸びているだけですが、頂部にこうした視覚的特徴があることで、視線は空へ真直ぐに行かずその部分で止まることになります。そしてその特徴たるキャンティレバーが大きくわかりやすいことで、見上げても200mもあるようには感じなかったりするのです。高層ビルを見上げたところで何かあるわけでもなく首が痛くなるだけですが、こういった視覚特性があることで何も特徴を持たないビルを見上げる時よりも、首の痛みは少しましだったりします。それは錯覚かもしれませんが、少なくとも私はそう感じました。上の左と中央の画像は1Fの内部空間。ここは超高層の1Fではなく高層と低層の間にあるアトリウム空間ですが、内部の植栽はヤシで、前面トップライトですから、南国情緒のある空間となっています。 DG銀行 DG Bank KPF KPF 建設 1993年 用途 オフィス・ビル 所在地 ドイツ フランクフルト Frankfurt, Germany Back0 |