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ポンピドー・センター Pompidou Centerこのポンピドー・センターは以前にパリに訪れた時に行ったのですが、あいにく改修中にて閉館だったのです。ですから内部に入る事はできませんでした。その時、今度パリに来たら絶対見ようと決めていたのです。そしてようやく今回、そのリベンジを達成しました。待たされていたせいか期待を込めて、わくわくしながら行った訳です。以前は外装しか見れませんでしたし、そのカラフルなステールのチューブパイプからは綺麗なだけでなく、楽しそうな印象を与えてくれていたからでしょう。しかし、この建築から出て来た時の感想は、大きく当初の期待を裏切るものだったのです。その大きな原因はMuseumにありました。展示の空間にも外壁と同様にチューブパイプが露出していまいたし、休憩するスペースでもそうでした。こんな落ちつかない場所はないですよほんと。これを見て本当に興醒めしてしまいましたね。さながらここは、アミューズメント施設かショッピングセンターかといったところです。美術品を鑑賞する空間とは思えませんでした。せめて天井にパネル等を設置し、チューブパイプは隠すべきでしょう。このポンピドー・センターの前にはアトリエ・ブランクシーという小さな美術館がありますが、ここはすごく落ち着きます。同じレンゾ・ピアノ設計なのですが、全く展示空間の質が違います。ポンピドー・センターの建設が1977年で、ブランクシー美術館は1997年。ちょうど20年後にあたり、また1997年にはスイスにさらにバイエラー財団美術館という、自然環境を巧みに展示空間に取り入れた美術館も建設しています。20年も経てば、過去の設計において反省する部分はあることでしょう。ブランクシー美術館やバイエラー財団美術館のような、美術館建築を設計するピアノ氏なら、ポンピドー・センターの展示空間は決していい状況ではないと思っているのではないでしょうか。このポンピドー・センター自体が美術館としての機能以外に図書館やレストラン、ブックショップ、映画館といった多くの機能があるために、特定の機能に対して最適な計画ができないということもあるかもせません。つまり、多目的建築ということです。そうした多目的建築にはその個々の目的に最適な環境は作りにくいということでしょう。こういう建築は中途半端なものになり易いものです。このポンピドー・センターも外見上は変わっているかもしれないが、そうした建築のひとつにしかすぎない、そう私は感じました。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() レンゾ・ピアノ & リチャード・ロジャース Renzo Piano & Richard Rogers 用途 現代美術センター 建設:1977 所在地 フランス パリ Paris, France Back0 |