Mediatheque a
Venissieux
メディアテック・ア・ヴェニシュゥ-
Mediatheque(メディアテック)とは、フランス語でメディア図書館の意味。本の貸出だけでなくCDやビデオの貸出、またインターネットなどもでき
るスペースです。
フランス第2の都市リヨンの郊外にあるヴェニシュゥ−は、ローヌ・アルプ県では3番目に人口の多い町。リヨン近郊の住宅街には違いはない
のですが、現在建って住宅は60〜70年代に建てられた低所得者用公団住宅がほとんど。おまけにジプシーなどの移動住民も多く、リヨンに
住む人にすれば【物騒な町】というイメージ。そんな物騒な町に2001年メディアテックが誕生しました。
写真左:メディアテック裏側 写真右:メディアテック表側
凸型の非常にシンプルな建物。パリにある国立図書館を作った人と同じとは考えられませんね。ちなみに2002年欧州最優秀建築賞を受賞。
正面は半分が駐車場、半分が広場になっています。建物裏側にもベンチがあり、芝生部分は斜面になっています。
地上4階、地下1階建て。地下は駐車場と書庫。1階は幼児・青年・大人の図書(ビデオ ・CD)コーナー、インターネットのコーナー、レクチャー室、ロビー。2階にはカンファレンス 室、3・4階がオフィスになっています。 書棚と書棚の間も広く、椅子と検索用PCが至るところに置いてありました。そして何より もガラス貼りの建物なので明るい!間接照明が基本のフランス、図書館であれ教室であ れ非常に暗い事が多いのですが、ここはお天気の良い日はとても明るい。ただしその分 書棚が陰を作るというデメリットもあるのですが…。 書籍の高いフランス、またレンタルCDが法律上不可能なフランスにおいてメディアテックと いうのは非常に需要があると思います。また今後図書がどんどんCDROM化されていく可 能性を考えても、図書館という本のみの貸出だけというのは時代遅れでしょう。実際既存 の図書館でもCDを扱う市町村は増えてきています。そう考えると今後はBibilotheque(ビビ リョテック=図書館)よりもMediathequeが増えていくのでしょうね。 |
図書というのは一般的に増えていくもの、いつかはこの 建物では収容しきれなくなる時がくるはずですが、建物 が凸型なのは今後増えた時への増築の可能性も考え てあるのかと思いました。 ただ場所的に考えてみると、リヨン市内には非常に大き い図書館があるので専門関係を調べたい人はそこに行 くでしょう。衛星都市にできた図書館は、下手をすると蔵 書の品薄具合で近隣の良い図書館に人をとられがち。 そして最終的に取り壊し問題に発展する場合が多い事 を考えると、どれだけ地域の人の趣向にあった図書館に なれるかでしょうね。ニームのカレダールのように、美術 館を併設する事によって、地元民だけでなく観光客も対 象とすることで生き残っていくという方法をとっている町も 少なくありません。 |