The Museum of Kyoto 京都文化博物館 |
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京都文化博物館 設計:辰野金吾+長野宇平治 Camera: 作成日: 最終更新日: 作成者: |
大政奉還後の京都は、あちこちに空き地や空き家の目立つ寂しい町であった。その地を利用して新しい繁華街を計画したのが、皆さんがよく知っている「新京極」である。新京極が新しい歓楽街として京都の顔となったのに対して、明治から大正時代にかけて、新京極と交差する三条通は、京都の商業メインストリートの感があった。 そんな時代背景のなか、明治政府が招いた建築家ジョサイア・コンドル氏の一番弟子「辰野金吾」は、工部大学校造家教授となり東京駅や日本銀行本店など、著名な大作を数多く残していったのである。 煉瓦造のこの建物は京都文化博物館の別館であり、もとは1906年(明治39年)に完成した日本銀行京都支店。赤煉瓦と白い花崗岩の横縞が見事な調和を見せる、いわゆる「辰野式」の代表的建築でもある。この意匠は19世紀後半のイギリスの建築によく使われたクィーン・アン様式。 本館と別館とは渡り廊下で結ばれ、レベルの違う1階の床高を調整した跡が見受けられる。別館は常設展示、といってもやはりメインはこの建物そのものといって良いだろう。金庫は中庭をはさんで別館の北側に配置、喫茶店になっている。コーヒーが700円で禁煙。 ここが、もと銀行であったことが分かる受付のカウンター。行員のゾーンから見学することになる。材質こそ違うが現在の銀行の空間構成と大差がない。すべてが当時のものではなく、カウンターや照明器具などは写真をもとに復元されたもの。 こうして100年ほど前の建築物が保存された状態になっているが、今でもじゅうぶん現役で使えそうなこの自信に満ち溢れた意匠。当時の三条界隈はとても賑わっていたのだろう。 |
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