Kyoto Kaikan Hall 京都会館 |
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京都会館 設計:前川國男/前川國男建築設計事務所 作成日: 最終更新日: 作成者: |
京都で大規模なコンサートをする時は間違いなくここになる、という京都人なら一度は来た事のある京都会館です。疎水をはさんで細見美術館があります。 設計は前川國男氏。指名コンペで村野藤吾、日建設計の三者から選ばれました。 打放しコンクリートなのですが、安藤忠雄氏の使い方とはちょっと違いますね。そう、「コンクリートの大きな壁」というものが無いのです。素材上、重厚なイメージになりがちなコンクリートが軽いイメージに見えるのは、軒裏や天井の連続した小梁が大スパンを飛ばしているからでしょう。しかも、それすら装飾にしてします。平坦な部分が少ないのと、水平線を強調した外観がなんとなく「和風」に見せてくれます。前川國男氏がル・コルビュジェの下で勉強していただけに、どことなくコルビュジェ・テイストも匂わせています。 京都会館へのアプローチはピロティをくぐることから始まる。 大規模な建築って、敷地に入ってからまず奥にある建物へ歩きますよね?アプローチが長い、という事です。それが美術館なら現世から別世界へ出発するモードの切り替えみたいな意図もあると思うんですよ。しかし京都会館は敷地に1歩足を踏み入れると、すぐに建物なんです。 ピロティをくぐると、また空の見える状態になります。そして右側を見れば大文字山が。一度、「閉」を体験してから「開放」。これは、意図的にそうしてますね。広さを強調するためにあえて狭いところを通ってから、広い場所へ誘導すれば、より大きな開放感を味わうことができる。 2階には大きくせり出したバルコニー。これが玄関の庇も兼ねています。ここでまた大きな「閉」。そして館内に入って吹抜けのホワイエで「開」。客席の出入口で「閉」。そして大ホールで「開」。「わぉ〜!」となるわけ。 閉(ピロティ) ということは、京都会館は3回「わぉ〜!」と思わせるのですね。 建物の『領域の演出』が、人の心情を変化させているのです。 関連ページ: |
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